その腰痛

 02, 2017 08:00
木の精



日本人の腰痛人口、どれくらいがご存知でしょうか?

な、なんと、2800万人……。
国民の4人に1人が腰痛に苦しんでいるらしいです。
しかも原因が特定できる腰痛は15%程度で、
残り85%は原因不明というから驚きです。

腰痛といえば、作家の夏樹静子さん。
映画化された『Wの悲劇』でお馴染みの女流作家ですが、
3年もの間、原因不明の腰痛に苦しみ、
『腰痛放浪記 椅子が怖い』を執筆したほどです。

彼女の腰痛、数カ所の病院で検査しましたが、
器質的疾患ではないと言われ、神経科を紹介されたようです。
10年ほど前、彼女の手記を読みましたが、
この時の彼女の激昂ぶりは大変なものでした。

『死ぬほどの痛みで歩くことも寝ることもできないのに、
私の精神がおかしいというのですか!
腰のトラブルという原因が先にあって、
その苦痛ゆえに精神がおかしくなっているとしか思われません。』

ですが他に手立てはありません。
悩んだ末、藁にもすがる思いで精神科を受診。
カウンセリングの後、医師から告げられます。

『夏樹さん……この際、ペンを折り、夏樹静子の葬式をやりなさい』

精神科の医師の見立ては、次のようなものでした。
作家、夏樹静子のステータスを保っていくための葛藤、
枯渇していくエネルギーと、あせりなどの心理的背景。
それらに怒り、不満を感じていたりするのに、
そういう気持ちを、無意識(潜在意識)に抑えこんでしまうタイプだと。

こうしてペンを置くこと2年、医師が指一本触れることなく、
夏木静子の腰痛は消失したのでした。

これはスゴイことですよね。
心と体は繋がっていますが、
顕在意識では覚えのない、潜在的な自分が潜んでいて、
それが、身体を支配することもあるんですねぇ。


そもそも腰痛って、なぜ起きるのでしょう?
まず整形外科的な見方です。
ちょっと小難しいですが、お付き合いください。(^_^ ;)
人体を支える背骨……上から順に、頸椎は前に反り、胸椎は後方に反り、
腰椎は、わずかに前に反っています。(生理的湾曲)
生理的なカーブを支えるのが腰椎の4~5番ということで、
負荷がかかるぶん、ヘルニアや、すべり症、分離症などになりやすいわけです。
★腰椎の4~5番……殿方のベルトライン(ヤコビ線)、腰椎穿刺もここ。

では器質的原因のない、夏樹静子タイプの腰痛はなぜ起きるのでしょう。
答えは東洋医学(チャクラや、ツボを含む)と、意識の捉え方にあります。

背骨には経絡のひとつ『督脈』(ツボが並ぶライン)があり、
そのラインには27カ所のツボがあります。
特に腰椎の2番~5番には、命門、腰陽関という、
エネルギーの変電所のような、重要なツボがあり、
幽体が離脱するときは、命門付近が背部の起点になります。
命門は、その名の通り、命の門であり、
腹部の関元(第二のチャクラ)というツボに連動。
人体の前(陰)と後ろ(陽)を統括するエネルギーポイントでもあります。

さて、ここからが不思議の入り口……。
身体を循環するエネルギー(気)は、人の意識でもあります。
殺気、陰気、陽気などと言われるように、感情の流れでもあるわけです。
怒りで額の血管が浮き出たり、心臓バクバクとかするでしょう?
意識が、自律神経を介して、身体を支配しているわけです。
★自立神経……眠っていても活動している神経(呼吸、心臓、循環など)

しかし、私たちは顕在意識しか自覚できません。
その奥の潜在意識や、超意識の働きについては無知、無感覚なわけです。

もっとも、年がら年中、くよくよと悩んでいたり、愚痴ったりしている人は、
ストレスを自覚していて外に吐き出しているので、
潜在意識にストックされることはありません。

厄介なのは、本人がストレスだと思っていないケース。
もしくは、強いストレスを感じてはいても、
ドンマイ、ドンマイと、頑張り続ける人が、
心因性の病気に罹りやすくなります。
本人がストレスだと思っていないストレスは、
発散させることができないからです。


そこで潜在意識が警告を出します。
意識の代わりに身体に痛みをおこして、
心に何らかの問題があることを知らせようとするわけです。
そのときに知らせる人体の場所ですが……・。
生理的に負担を生じやすい腰椎の4~5番あたりが最多となります。

夏樹静子さんのように痛レベルが強烈なほど、心の問題は深刻。
心(魂)の声に、まったく気づいていないということなんです。
恐いですねぇ。

この心因性の痛みや不定愁訴って、腰とは限らないんですよ。
私のように、もともとムチ打ちの後遺症が残っていた頸椎や、
肩関節に痛みが集中することもあります。
(五十肩も、医師に言わせると原因はストレス)


そこで、心因性の驚くべき症例を、もうひとつ。
過疎の村で鍼灸院やっていたときの、患者さんの例です。

頻尿(30回~/日)に悩む女性(70歳)が、施術に来ました。
病院をハシゴしても、一向に改善しないと言うのです。

息子が村内で土建会社を経営。
噂では豪奢な暮らしをしているという母親らしく、
お洒落な装いで化粧も濃く、人目を引くタイプでしたが、
服を脱いでいくとき唖然としました。
きつそうなボディスーツで身を固めていたからです。

『奇麗にお化粧して……ボディスーツ歴、長いんです?』
全身調節の施術をしながら聞きました。

『若い頃からさぇ……。化粧だって朝一番だ。
いつどこで人に見られてるか判んねぇし…』

はぁ(・_・?)……70歳の婆さまを、誰が、どこで見てるって?
施術しに来るのに、その真っ赤な口紅と厚化粧、やめてくれない?
うつ伏せたら、シーツ、真っ赤じゃん。
こりゃあ、アドバイスしても、耳、傾けないだろうなぁ……。
正直、そう思いましたが、お構いなく言いました。

『その、頻繁なトイレだけど、膀胱炎のときのように、
強い尿意があるわけじゃないんですよね?
漏れるのが怖くて、自主的に、頻繁に行くってことですよね?』

『そうだ…。医者が言うには、原因はわからねぇが、
膀胱が小さくなっちまったらしい。
いつも貯まってるような気がしてさぇ、何度も行くだ』

『ふ~ん……気にし過ぎてんのやねぇ。
あのね、トイレ行っても盃に一杯くらいしか出ないんだったら、
生理用のパット、敷いておいたらどうです?
それと、ボデースーツ……もう少し緩めの、したらどうでしょう?
あまり締め付けると、リンパの流れとか悪くなるし……』

『それはできねぇ。盃いっぱいでも臭うじゃねぇか。
下着も、もう何10年もつけてるだ。
外したら身体のラインが崩れるってじゃね……。
友達とお茶っこしててさえ、トイレ何度も、っての格好悪いし、
買い物だって行けねぇだ。鍼でなんとかならねぇか?』

『まぁ、施術すれば尿量は多少増えるけど、
ず~と通い続けるって、大変でしょう?
この場合、こうなったのと同じ時間をかけて、
意識的に尿を貯める訓練しないとねぇ。』

あえて『訓練』と言いました。
いつも誰かに見られてる。
奇麗にしておかなくっちゃ。
歳をとったら誰でもトイレは近くなるが、
私に限って、たとえ一滴でも、漏らすなんて耐え難い。
他者の、自分に対するイメージを壊すわけにはいかない。
そんな彼女の、自意識過剰とも思える価値観を、
根本から覆すのは至難の業に思えたからです。

そう言うと、Tさんは二度と来院しませんでした。


ところがドッコイ……。
半年後に村で騒動が起きました。
土建会社が倒産、Tさん一家が夜逃げしたというのです。
親しい友人でさえ、寝耳に水のできごとだったと聞きました。

相当期間、Tさんは見栄を張って暮していたようでした。
もしかしたら破産の兆候も認められなくて(意識なし)、
たまたま機能低下を起こしていた膀胱に、
(加齢とともに誰もが経験する程度の機能低下)
潜在意識が、異常を発露させたのかもしれません。


ここで、頚椎症や腰痛で悩んでいる方にワンポイントアドバイスです。
人によっては仕事柄ってのも多いでしょうが、
頸椎症や腰痛はまず、その原因である悪い姿勢を改善することです。

悪い姿勢を、本来の自然で健康な姿に戻す鍵は、寝ている時の条件にあります。
生理的彎曲を取り戻すには、筋肉が休んでいる時、つまり、
筋肉の働きに阻まれない「寝ている時」がチャンス……。


肝心なのは『枕』です。
頸椎が歪むと頚椎症に。
そのひずみが胸椎や、腰椎に現れ、
最終的には分離症や、すべり症、ヘルニアの症状に
悩まされることになります。

高価な枕も市販されてはいますが、まず期待はできません。
というのも私自身、バイク事故のムチ打ち症状に始まり、
ひどい頚椎症、五十肩、胸郭出口症候群に罹り、
嫌というほど枕を変えたのです。 → 最高2万円の枕まで。

ですが、どれもダメでした。
頸椎のカーブは人によって違いますし、首の長さや、
肩周りの肉の厚み、肩幅の広さも個人差があるので、
最終的にオリジナルの枕を作ることにしました。

具体的には、小さな枕を、3個、作りました。
(幅は短く、3個並べても、大きな枕1個ほどの長さ)
まず仰向け用に、低いものを(寝て、心地を確かめる)。
左右の枕は、自分の肩幅に合わせて高めに、です。
(横向きに寝たとき、肩関節が圧迫されないため)

3個別々に作るには理由があります。
寝返ったとき、その位置を自由に調整できるのです。
枕の中身は、そば殻がいいです。
プラスティック製の粒々もありますが、
寝ぼけていても、そば殻は高さの微調整が効きやすいです。
(具合の良い形を維持する摩擦力がある)
プラスチック素材のように滑らないのです。

この3点セットの枕で寝るようになってからというもの、
肩凝りや、手のしびれなどは消失、安眠できるようになりました。


次に、心因性の腰痛対策ですが……。
なんといっても、客観的に自分を観ることが解決の入り口になります。
イライラ、カリカリしていないだろうか?
その原因はなんだろう?
本当はどうしたいのだろう?

この3点でしょうね。

悲しいかな、多くの場合は自己顕示欲がネック。
名声、能力、金……人の意識を凍らせる、物質次元の魔力とでもいうような……。


我々が生まれつき持った感情のなかで、
自負心ほど抑制しがたいものはあるまい。
私が完全にこれに打ち勝ったと思うことができるとしても、
恐らくは自分の謙嬢を自負するであろうから。
    ベンジャミン・フランクリン



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