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自己愛 その①

存在の理由
09 /22 2016
イルカと月①


『お子さんの場合、IQは決して高くありません。
成績の良さは、努力の結果でしょうねぇ……』

家庭訪問の折に、先生が母に言ったそうです。

『IQは決して高くありません、って……。
優しい先生のこと、きっと平均より低いんやぁ!
σ(・´ω‘・) 努力しないと人並みになれないってこと?
IQ低い……ショックo(;_;)o』

小学2年だったオバちゃんは、ひどく落ち込んだものです。

以来、オバちゃんは更に努力する子になり、
そのまま成人しました。
(教師の一言って、影響力、大ですね)
これって、ポジィティブな“自己愛”かも、ですよね。

ですが、努力して目標をクリアし続けると自信家になりました。
努力もせずに不平不満ばかり言う人を、
心の中で蔑むようになっていったのです。
することしてから、言えよ…とか、
負け犬の遠吠えと同じ、説得力ないじゃん、とか、思っていました。
それが高慢だという自覚もないままに……。
これは、ネガティブな“自己愛”でしょうね。

一方で、オバちゃんは涙もろく、情に流されやすい性分でした。
ずる賢い人間から観たら恰好の獲物で、
不幸な身の上話に騙されてお金を貸したり、
もめ事の矢面に立たされたり、さんざん利用されました。
おだてられ、懇願されると断れない、
男気のある、ってか、単純な性格だったわけです。(^^;)

ところがどっこい!
相手の出方次第では鬼にも蛇にもなりました。

権力を振るう横暴な輩が大嫌いで、
生活に支障がある場合などは、徹底的に戦いました。

例えばショッピングセンターでのテナントいじめ……。
当時、喫茶&コーヒー豆の挽き売りをしていたのですが、
隣の酒屋が、なぜかコーヒー豆の挽き売りをスタート。
直後に役員テナントがやってきて、やんわりとですが、
挽き売りを遠慮するよう言い渡されました。

コーヒー専門店に豆の挽き売りを止めさせ、
異業種の酒屋に、それを許可するなど、理不尽の極みです。

酒屋は役員テナントや、総括マネージャーと飲み友達で、
定期的に交流しているようでした。

ふと、陰謀の気配を感じました。
出店を切望する有名店が、総括マネージャーに賄賂を匂わせ、
売り上げの坪効率が優秀な、わが店をターゲットにしたとしたら?
契約書上、どうにもならない話でも、
個人の感情問題にすれば、あるいは……。

オバちゃんは当時27歳。
もとは管理側のPOPライターでしたが、
テナントの一人と結婚し、POPライターとして独立。
自営業との二足の草鞋状態でした。

イジメが始まって2か月……。
飲んで愚痴るだけの夫(最初の夫)を尻目に、
オバちゃんは、冷静に策を練りました。

まずは管理側と役員テナントの癒着構造をリサーチ。
理不尽な言動の証拠を集め、文書化し、
運営管理母体(三菱商事)の幹部宛に陳情書を作成。
そのコピーを、総括マネージャーに見せて直談判しました。

契約書を無視した追い出し行為の即時中止はもとより、
特定のテナントとの、癒着を想像させる行動を慎むよう、
誓約書を書かせました。
それを拒否すれば、陳情書を本社に送ると脅して、です。

小娘でも、もと三菱商事の社員だったオバちゃんは、
あの…『7000m上空から地球を見てこい!』と言われた
当時の総括マネージャーから、多くを学んでいました。
“悩むな!考えろ!”
集客力と引き換えの、固定と歩合の二重家賃徴収法。
ヤクザ乱入時の対処法。
訴追されないテナントの追い出し方などなど、を……。
その知恵を逆手にとって、孤軍奮闘したというわけです。


オバちゃんにはPOPライター業と子育てがあり、
店の仕事は日祝日だけの助っ人でした。
しかし度重なる夫の体調不良で、
100店舗以上の注文をこなしていたライター業は
諦めざるを得なくなりました。

3店舗あった店の人手の確保や、改装費の捻出。
降ってわいた甥姪の養育などを含め、
それぞれの信念
最初の夫との生活は、彼の野望と打算がもたらした
『尻ぬぐい』の連続でした。

『σ(・´ω‘・) 男は“腐っても鯛”って、嘘だな……。
女房、子供を守るんと違うん?
修羅場で尻込みする男なんて、最低! (●`∧´)
なんのために”〇玉”つけてんのやぁ……(^^;)』
ってなもんです。

自営業者の嫁なんて、可哀そうなものです。
育児と仕事を両立していても、感謝されるのは新婚の数か月くらいのもの。
後は“やって当然!” そのうち“1日でも休んだら不満”の域に…。
やがて心身ともに疲れ果て、自分が可哀そうでたまりませんでした。
良妻賢母で在りたいという、自らの理想の監視下で、
自己愛を封じていたのですから‥‥。
そんな時に起きたバイク事故でした。

で……結婚13年後、
夫を立てて滅私奉公する“あげまん女房”を廃業しました。
早い話が、自分のための人生を、生きようとしたわけです。

自己愛か、ただのエゴか?
この時ほど葛藤したことはありませんが……。
自己実現に至れた結果を思えば『自己愛』だったかも?



長~い個人的な体験談の末に……ですが、
今回のテーマは『自己愛』。

あなたは、自分を愛していますか?
人を憎んだり、嫉妬したり、
コンプレックスを抱えている自分だとしても、
丸ごと愛していますか?

( ̄~ ̄;) ウーン…これ、意外と難しいですよね。

自分の中の、好きな自分と、嫌いな自分が鮮明ですか?
人の性格が羨ましく、変わりたいと思ったことはありますか?

(´・_・`)あります……大いにありますよね!

そもそも、自分を愛する目的はなんでしょうね?
本能?
もしかして……エゴ?


ってな感じで、読者の方とディスカッションしたいものですが、
テーマ『自己愛』は深淵で長い話になるので、続きは次回に……。


“子ども”という言葉は、
たとえば気まぐれな人や強情な人、
短気な人や癇癪持ちの人、臆病な人や、
他人を傷つけるようないたずらをする人、
などという意味に使われる。
この場合の“子ども”とは、
少ししか進歩していない人のことだ。

そして同じ言葉が今度は、
善良な人、繊細な人、
善意を持った人といった意味にも使われる。
長い進歩や進化の結果、
魂はそうした子どものように純粋になっていくんだよ。

君たちの本(アミ小さな宇宙人三部作)は、
後者の人のために書かれている。
精神的な真実は、
このとても健康的な子どもの感覚を通してのみ、
とらえられるんだ。

この精神を持っていない人、つまり、“大人”は、
因襲的な考えや皆に受け入れられたことや、
その時々に支配的な理論や流行や習慣に、
それらが一致していないというだけの理由で、
いとも簡単に拒絶してしまうんだ。
こうして本に込められている
重大なメッセージの本質など、
まったく理解せずに終わってしまうんだよ。
     (戻ってきたアミ).



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風子

1952年、愛媛県生まれ。
子供時代は予知夢をみるような、ちょっと変わった子供。

40歳の頃、神秘体験をきっかけに精神世界を放浪。
それまでの人生観、価値観、死生感などが一新する。
結果、猛烈営業マンから一転、43歳で鍼灸師に転向。
予防医学的な鍼灸施術と、カウンセリングに打ち込む。

2001年 アマチュアカメラマンの夫と、信州の小川村に移住。晴耕雨読の日々を夢見るが、過疎化の村の医療事情を知り、送迎つきの鍼灸院を営むことに。

2004年 NHKテレビ「達人に学ぶ田舎暮らし心得」取材。

2006年 名古屋テレビ「あこがれの田舎暮らし」取材。

2006年 信越テレビ「すばらしき夫婦」取材。
      
2008年 テレビ信州「鹿島ダイヤモンド槍を追え」取材。

2012年 12年の田舎暮らしにピリオドを打ち大阪に戻る。