私は正しい!

 29, 2016 08:45
木漏れ日


独裁者、独善主義、亭主関白、エゴイスト、ひとりよがり……。
どの世界にも、どんな企業にも、どんな家庭にも、社会にも、隣人にも、
こんな人、い~っぱい、いますよね。
『自分は正しい!』と、思い込んで
『優越性』に浸っている人々です。


この『優越性』……。
自分や、自分たちの方が優れているという考えで、
関心や尊敬や同意、信奉者や、仲間を増やそうとしします。

それが紛争や、戦争を引き起こし、人種差別や、政党の分裂、
家庭不和や、隣人との仲たがいを起こすわけですよね。

もちろん、オバちゃんも未だ、その一人です。

漫才の、ボケと突っ込み調ですが……。
物忘れや、注意力低下が原因の些細な、家庭内での指摘合戦。
姉妹間や、ごく親しい人たちとの価値観の違いや、好き嫌い論争。

ちょっとイライラする程度ですが……。
仕事内容(シルバー)の認識の違い、やる気が露呈する作業の完成度、センスの良し悪し。
ご近所の騒音や、役員を巡る人間関係のゴタゴタなどなど、
それはもう、際限のない批評と判断を繰り返して……。
『私は正しい』『私の方が優れている』と、優越感に浸りがちです。

そんなときは大抵、
“人が100人いたら100の正義がある”ことを忘れています。
自分の考えこそが常識的だと思い込んで、
批評判断してしまうんですねぇ。

はて、自分の常識(ものの観方)って、
どこから来たんでしょうね。
その原材料って、どんなものなんでしょうね。\(?。?”)


詳しくは、この記事に。
性格ってなんだ?

4~5歳くらいまでは、親兄弟、近所の人々、保母さんなどから……。
顕在意識と潜在意識の中に、
繰り返し々、たたきこまれた概念……。
ものの見方や、判断に繋がる価値観や、善悪の全てが、
“観念”として、幼い私たちの記憶回路に刻まれたのでしょうね。


小学生くらいからは、友達や先生、本やテレビからも影響を受け、
それまでに蓄積された観念の幅が増えていくことでしょう。

ですが中学、高校と進むうちに、できごとに対する反応や、
解釈の仕方に変化が生じてきます。

自らの性格(観念)に疑問を感じたり、嫌気がさしたり、
感情の起伏が激しくなり、突如として虚しさや哀しさに襲われたり、
規律や秩序ある世界が滑稽に思えたり、
自らの存在そのものに疑問を感じたり……。
流動的で不安定な……いわゆる思春期、
中二病などと言われる時期を迎えるわけです。


この、誰にでも訪れる思春期について、
体験的にですが、オバちゃんは独自の考えを持っています。
この頃には、魂としての自分が存在をアピールするようになり、
自分以外の人の観念を生きていることに、
耐えられなくなるのでは?と思っているわけです。
渇望


ふつうは17~18歳くらいからでしょうが、
自問自答や、内なる直観の混在する日々に、
観念の再構築や、改造、新たなインプットが始まります。
迷いながらも進路を決め、その世界での一期一会を味わい、成功や挫折、
方向転換、再出発、失望など、さまざまな体験を積んでいくわけです。
この時期は、魂(本当の自分)とエゴが混在している感じで、
本格的な人間形成が始まると言っても過言ではないと思います。

日本では『三つ子の魂百までも‥』とか言われますが、
オバちゃんは、それを信じていません。
三歳でほぼ決まるなら、99%、人の観念を生きることになりますし、
転生する意味や、必要もないわけですから。


さて、その後20年くらいを経て人生の中盤くらいになると、
多くの人が固定観念に縛られるようになることでしょう。
成功とまではいかないにしても、知識と体験によって、
安定したポストや、収入に胡坐をかくからに他ありません。

さらに10年も過ぎると、人は大抵、自分の観念を疑うどころか、
『私は正しい』という、意識の鎧をまといがちになります。
知的好奇心が薄れる一方、虚栄心は増強され、頑なに。
しかも評論家めいて持論を展開し、バツが悪ければ開き直り、
国の抱える問題や、世界情勢には無関心になっていくかもしれません。
(◎ー◎;)……舛添か?


で、ここからが今日のテーマのハイライト!…(^_^ ;)


あくまでオバちゃんの場合ですが、
この歳になってやっと。本当に、やっとですが……。
人が100人いたら100の正義がある……が身に沁みるようになり、
『私は正しい』に関して、反省スピードが増してきました。


その人の価値観や、人生観に照らして観察していると、
誰もが…『あるがままの完璧な人生』を歩んでいると、
心から思えるようになったんですよねぇ。


その上で……、ちょっとだけ、偉そうなこと言いますが……。
戦争、核、飢餓、イスラム国、資源の搾取、etc……。
世界情勢は、地球人の集合意識の反映ですよね。

世界を知れば、私たちの意識レベルが理解できるわけです。

ですが、一人ひとりの内面(意識)が変われば集合意識も変わり、
世界の状況も必ず変わることでしょう。
多くの人が、『私は正しい』から、
『人が100人いたら100の正義が…』を受容し、
『今、愛なら、どう行動するか』を人間関係のキーワードにしたとしたら、
世界は変わると思うんですよねぇ。

年金暮らしのオバちゃんは、
国境なき医師団に、細々と寄付するのが関の山。
世界の不幸な人々に対して、物質的には何もしてあげられません。
せめて、集合意識の進化に役立ちたいと、
萎縮しかかっている脳細胞を駆使して、
こんなブログを書いているわけです。

もちろん、自分のためですが、
もしかして、共感してくれる人がいたら、
うれピーって感じで‥‥。(^_^ ;)



抵抗すれば、相手はかえって強くなる。
ただ見つめれば、相手は消える。
抵抗するというのは、
相手にエネルギーを付与することだ。
そうして相手は実体を持つ。
一方でじっと見つめれば、相手は見透かされ、
幻想であるという事実をさらけ出す。
(ニール・ドナルド・ウォルシュ)


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成熟

 24, 2016 08:25
幻想妖精


過疎の村で鍼灸院を開業する2年ほど前……、
営業会社の管理職をやっていた頃の話です。



『あんたなぁ、一人暮らしって気楽やろうけど、寂しないかぁ?』

夫婦喧嘩の絶えない、かつての同僚に聞かれました。
実のところ離婚以来、この手の質問の多さには癖癖していました。

『ぜんぜん……部屋には、寝るために帰るような仕事人間やったし。
強いて言えば、クリスマスとか正月なんかは家族を意識したこともあるわ』

『そやろ?‥‥そんなとき、どうすんの。
友達いうても、みんな家庭あるやろし。
私かって、そんなこと考えたら、別れる決心つけへんでなぁ‥』

『ハハハ……Hさんは別れんでいいやんか。喧嘩するほど仲がいいって言うし。
喧嘩もしない。文句も言わなくなったら問題なんやろうけど……。

あのさぁ、正直に言うと、私、一人が好きなんよ。
離婚した直後の正月なんかは寂しさもあったけど、
いや、違う……。
寂しいというより、恒例だった行事がなくなった違和感やなぁ。
けど、読書三昧できるチャンスや思って、一挙に10冊ほど消化すんねん。

営業時代は盆も正月もなかったけど、今はサラリーマンやん。
休みは山登って、帰りにサウナと水風呂入って、夜は読書して……。
ほんま、一人暮らしって天国や思てんねん。』

『けど、息子さんのこと、気になれへんかぁ?』

この質問も、何百回も聞きました。
こんな質問、母親にすること自体が野暮ですが、
自由を得た者へのジェラシーをカバーするように、
たいていの人が、案じるような言葉を使います。

『離婚後は、電車ふた駅の所に住んで、
いつでも来れるように道順の練習もさせたし。
高校時代は、もっぱら文通。
天王寺に来てからは、しょっちゅう来てんねん。
府立大学なもんで、帰りに寄って、勝手に腹ごしらえして、
片づけて、天王寺駅前のバイト先行くねん。
その後、奈良の家に帰るんやけど。
ご飯や、おかずは常に何種類か作り置きしてるし、
私が出張するときは、猫の世話頼むって感じ。』

『そうなん?……。
うちは娘なもんで、ハラハラしっぱなしや。
学生のくせに化粧はケバなるし、帰りは遅いし……。
洗いもんなんか、したことないねんよ。
息子さん、偉いなぁ。
自分でチンして食べて、洗いものして帰るんやろ?』

『当たり前やんかぁ。そんなん男女関係ないわぁ。
私が出張のときは、ベランダの鉢植えに水だってやるよ。
まっ、お互いに忙しくて連絡帳での会話が多いけど。
父親の愚痴とか、友人のこととか、よく長文で書いてあるわ。
私も身内のトピックスみたいなことは書くけど……』

『6年生なる前だった?……よく手放したなぁ』

『うん?……それがね。手放されたのは私の方よ。

お母さんは一人でも大丈夫。ちゃんと生きていける。
僕とお母さんは離れて暮しても大丈夫。
親子の縁がきれることは絶対にない。
けど、お父さんはダメや。
僕がいないと生きていかれへん。
もし離れたら、お父さんとは縁がきれると思うわ‥‥。
だから僕が、お父さんと暮らしたるわ!

5年生の息子に、そんなこと言われて、
心臓が止まりそうにショックで‥‥。
ご飯や洗濯なんか、お父さんでは無理やよ!
とか、なんとか必死で、理屈で言いくるめようとしたけど……。

仕方ないやんか。
今のままだと、お母さん可哀そうやし。
お父さんもな、僕に対してはムチャクチャ言わんやろうし。
どうしても無理やったら、お母さんとこ逃げるわ。

それ聞いて一週間くらいは悩んだけど……。
正直、スゴイ子やぁ!…と思たわ。』

『ほんまぁ、スゴイなぁ……』

『とにかく、精神が成熟してるような凄い子やねん。

中学1年のときに父親が二人の子連れと再婚して……。
その人、前から噂のあった女性だけど。
わがままなチビたちの面倒をみてるって言うもんで、すごく褒めたわけ。
そしたら、お母さんと同じことしてるだけ、って言うんよ。

幼稚園の年長さんのとき、お母さん、
仕事しながら千佳ちゃんや、茂樹君の面倒みてたやん、って言うわけ。
まさか5歳の記憶で、責任果たすように継母の子供の面倒みるやなんて……。

その夜、神に感謝しながら号泣したもんねぇ。
離婚の罪悪感に苛まれ、息子の精神状態を案じ続けた
5年の月日に光が差したように思えて……。
そしたら、思いの全てを仕事に向けた闘争心が溶けて、
なんや心が静かになってなぁ‥…。

ところが、高校生になったとき、さすがの息子もSOS。
これ以上は我慢できへん、お母さんと暮したいって電話あって。
その時、父親の負債は1億2000万にまで膨らんで、二度目の嫁とも別れてて‥‥。
息子と電話で打ち合わせして奈良行ったけど、父親が半狂乱になって……。
空白の時間・わたしはどこに?


なんのことはない。
元夫って、息子を愛してるのは確かなんやけど、
息子を離さないのは、私との絆を保っていたいからやって、
後になって判ったわ。

離婚して5年も経ってんのに、
500万なかったら自殺せなあかんみたいなSOSで、
子供の前で首つりだけは防ぎたくて300万ほどは送ったけど。
その2年後には、コンビニ経営するから7000万の保証人なってくれとか…。
とにかく別れてからも、息子を盾に無理難題いう男で‥‥。

まっ、いろいろあって……。
大学生の息子が母親べったりの、今があるんよ。
けど、近いうちに田舎暮らしすんねん。
息子に尊敬され、べったりされるって、
マザコンにでもなったら気持ち悪いし、
そろそろ距離、置いた方がいいと思って……。

ええやんか。
娘がケバい化粧しようが、コロコロと彼氏が変わろうが好きにさせたら……。
私たち親がゴチャゴチャ思うより、
子供は、親の生きざまをしっかり見てるんやから、
親は、やることやって、自分にできる精一杯の愛情注いどいたら、
結果オーライやと思うよ』

『ほんまやなぁ……』

そう呟いて、元同僚は静かになりました。

離婚は、しないだろうと思いました。
ただ言ってみたかっただけ。
人の人生の、暗く痛い部分を、
自分の慰めにしたかっただけでしょうね。

彼女にとっては、藪蛇の人生訓になったことでしょう。


破産した元夫は、息子の就職を機に観念したようで、
九州の僻地で田舎暮らしを始めました。
正月には見事な『おせち料理』を作って、
年に一度、息子が来るのを楽しみに待っているようです。

サラリーマンの息子は36歳で結婚。
40歳で一児の父になりました。
必要に応じて主婦業も得意で、
嫁さんから絶大な信頼を得ているようです。

その息子、今生的な遊び事には興味がなく、
淡々と仕事をこなして家族サービスするタイプです。
人の価値観に寛容で、私の体験なども否定はしません。
なんにつけ、『ふ~ん、なるほど。そうやろうなぁ‥』みたいな子で、
妻や親にでも、期待する素振りなどは微塵もありません。
ときどき思います。
ひょっとして『(◎ー◎;)地球卒業生の魂?』と‥‥。

その昔、『地球卒業生22人の記録』という本を読みました。
どんなに素晴らしい人々だろうと期待しましたが……。
どっこい! 自然体で暮らす、超平凡な人々でした。

とくにスピリチュアルティでもないし、
趣味や特技に準じる『こだわり』はもちろん、
人間関係においても批評判断をしません。
ただ、ひょうひょうと、丁寧に『今を生きる』人ばかりでした。

( ̄~ ̄;) ウーン…… 。
『悟り』にこだわってる間は、
まだまだ地球に生まれ変わるみたいですよ。

成熟は、あなたが期待なしで生きはじめたときに
起こる。
期待は幼稚なものだ。
期待を未来に投影しなくなったとき、
あなたは成熟する。
実のところ、いかなる未来もなくなったとき、
ただ瞬間を生きるようになったときに、
あなたは成熟する(OSHO)


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悩むな!考えろ!

 19, 2016 07:00
こまったニャー


19歳の冬、オバちゃんはタイに向かう飛行機に乗っていました。
国際結婚のための下見旅行でしたが、
この行動が、オバちゃんの人生を決定づけたと、今も思っています。

当時の勤め先は、ショッピングセンターの企画室でした。
通信教育で学んでいたレタリング(POP)の技術を買われて、
管理運営会社である三菱商事に就職したというわけです。

それは大型スーパーや、60店舗の専門店、プールやボーリング場、
600台の駐車スペースを備えた日本初のショッピングセンターで、
オープン当初はテレビ局や、新聞記者たちが詰めかけたものでした。

スターが来店するイベントの案内POPや、ショーのディスプレイをする仕事は楽しく、
フライドチキンのカーネル・サンダースおじさんが来店したときなどは、
彼の似顔絵POPを100枚も書いて、店内のあちこちに貼ったものです。
(パソコンのない時代で、全ては手書き)

ですが、私生活では悩んでいました。
タイに帰国した恋人(29歳)への想いは募っても、
お金と時間の問題が立ちはだかって、悶々と悩んでいたのです。

そんなある日、総括マネージャーの本田に呼びつけられました。

『お前なぁ‥いつまでもクヨクヨ悩んでんと、考える人間になれ!』、
開口一番、本田が怒ったような言い方をしました。

(うん? 仕事のことじゃなさそう……まさか?)

その、まさかでした。
悩みを打ち明けていた経理の女性から、漏れ聞いたようでした。

(まさか…夜のバイトもバレた?)

そう思いながら、おずおずと口を開きました。

『考えているつもりなんですが……』

『考えてない! お前は、ただクヨクヨ悩んでいるだけや!』

『あのぉ……悩むことと考えることは、どう違うんでしょうか?』

『アホか!……悩むっちゅうのは一点を中心に、ただグルグル回ってるだけや!
考えるっちゅうのは、必ず行動が伴うんや!』

『ですが……その行動ができないから悩んでいるんであって』

『(。・?_?・。)…なんで申し出んのや!行ったらええやないか。
三週間もあったら充分やろ。
飛行機乗って、8000m上空から地球を見てこい!』

『(◎ー◎;)……(´;ω;‘)ウッ……(* ・´з)(ε`・ *)chu♪』

そんなわけで、本田は新卒の小娘に長期休暇をくれたのです。


本田はダイエーの会長、中内功と肩を並べる一流のコンサルタントで、
それはそれは恐い存在でした。
肝っ玉の座った男で、ヤクザを相手に椅子を投げつけたり、
(大型店などは、たまにヤクザに難ぐせつけられる)
警備員の仕事ぶりに激高して、即刻、総入れ替えしたり……。

中年の彼にとって、社員の恋愛の行方など、どうでもいいに決まってます。
タイの暮らしを経験すれば心変わりがすると思ったのか、
POPライターを失いたくなかったのかは判りませんでしたが、
そんな大物の、『8000m上空から地球を見てこい!』には、しびれました。
(ベトナム戦争の余波とかで、実際は高度10000mで飛行した)

そして、10000mの上空で、それが起きたのでした。
離脱
賢者のささやき


国際結婚に踏み切れなかった理由は、ふたつあります。

そのひとつは、歴然とした身分制度でした。
タイ王国に純粋なタイ人(シャム人)は国民の40%ほどしかいません。
その人々が位の高い順に僧侶、軍人、政府の要人を占めていて、
身分の低い中国系の華僑たちが経済を支えていました。

恋人は純粋なタイ人で、父親は高位軍人。
家には2名の番兵が軍から派遣されていました。

ある日、タイ国の要人たちが日本観光の折に、恋人に同伴してガイドした縁で、
ペチャブリー市の警視総監から飛行ショーに招待されました。
アメリカとタイ空軍によるアクロバット飛行ショーを、
正装して貴賓席で見物することになったのです。

その時、勲章だらけの、いかにも高位の軍人に話しかけられました。
皇太子殿下夫妻がタイに来たとき、送迎車の運転をしたようで、
いかにも親しげに言いました。

『美智子妃殿下は、お元気でいらっしゃいますか?』

ひ、妃殿下?……知ってるはずなかろう! とは思いましたが、
I think so, tooなどと、適当に答えておきました。(^^;)

すると、次に話しかけてきた貴婦人が、
『わたくし、フランスの別荘から帰ったばかりなんですが、
あなた、別荘はどちらの国がお気に入りかしら?』

(ダメだ、こりゃあ……住む世界が違う(o´_`o)ハァ・・・。
空には一機何十億もの戦闘機が飛び交い、
ショーを見飽きた貴婦人たちが自慢話で時間をつぶす。
一歩町を歩けば、道端では物乞いする子供たちがいるのに、
レストランでは残飯を漁る幼子がいるのに‥‥。
私はデビ夫人にはなれない。
いや、彼らに対して何もできなくても、
せめて胸を痛める自分でいたいから‥‥)

ふたつ目の理由は、なんといっても前述の離脱と、賢者のささやき体験でした。
恋愛感情なんて、吹っ飛んでしまうほどの衝撃だったわけです。


悩むな!行動しろ!
8000m上空から地球を見てこい!(視点を変える)


この言葉は、地球で生きるための最強のツールだろうと、
今も思っています。

人は、行動することで、あらゆる角度(視点)から世界を見つめ、
やがて……感じる世界へと進化するんでしょうね。


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『引き寄せの法則』の真実

 17, 2016 06:00
イルカと月①




ナポレオン・ヒルの成功哲学や、ジョセフ・マーフィ論は、
『引き寄せの法則』としてマニュアル化され、ビジネスに応用され続けています。

その要点は……。

思考は現実化する。
現実化しないのは強さや、気合不足。
すでにそうなっているように振る舞うのが秘訣。

というものですが、
オバちゃんは、チャンチャラ可笑しいと思っています。

なぜなら法則とは、 一定の条件下で、
事物の間に成立する普遍的、必然的関係ですから、
まず、一定の条件が必須なわけです。


さらに『引き寄せの法則は、
『宇宙の法則』の部分に過ぎないので、
ほぼビジネス用語だと思った方がいいです。


では、引き寄せを含む『宇宙の法則』の、
一定の条件とは、なんだと思いますか?

答えは……『無償の愛』なんですよねぇ。

それは男女の情愛や、家族愛、
自己愛や友情などを含んでいながら
同時に、転生を繰り返して進歩したいと願う魂に対し、
あるがままを認めながら、無償の愛(バックアップ)を放つ、
たったひとつの、完全な光(意識)の普遍性なんですねぇ。


だから……、。
欲深さや、妬み、依存、無関心などの
荒い波動を発していたのでは、願いは叶いません。
それどころか、類が友を呼んで(同じ波動は引き寄せられる)
騙し騙され、奪い合い、恨み合う『闇の住人』になってしまうわけです。

オバちゃんも、確かに『マーフィのおまじない』にお世話になりました。
マーフィのおまじない

ですが、降ってわいたような願望の実現を体験できたのは……。
魂の器としての人体を理解したい。
『病は気から』を研究して、人のために役立ちたい。
そんな目的意識だったからだろうと、今も思っています。

また、オバちゃんは発展途上の魂ですから、
まだまだ、お金にコントロールされることが多いです。
下記の記事に書いたように、
お金を、コントローすることができないのです。
引き寄せで宝くじは当たる?



さて、宇宙の法則の、一定の条件である『無償の愛』について……。
キリストじゃないんですから、すぐに実践なんて無理というもの。
ですが、それに近づくための生き方サンプルはたくさんあります。

偉人伝や、名作と言われる映画などは、
必ずと言ってよいほど愛や誠実、ひたむきさや、
それから得られる自由などが描かれていますよね。
そして、あなたは、ある作品に惹かれる。
あなたが惹かれる生きざまが、あなたを反映しているんです。

なんのことはない、引き寄せって……。
“あなたが出すものが得るもの”という法則なんですよねぇ。


例えば、人々の暮らしを便利にしたいという純粋思考で、
松下幸之助は頑張りました。
結果、『世界の松下』になり、今も商売の神様として
人々から敬愛されています。

一方、時の人、トランプ氏はどうでしょう?
桁外れの大富豪ですが、人としての魅力、ないですよねぇ。
強欲、エゴの塊、支配欲、自己顕示欲の象徴に見えます。
このタイプは早晩、ヒトラー的、闇の帝王になるかもしれません。

オバちゃんは、密かに思っています。

トランプ氏のような人が大統領になるとすれば、
意識的アセンションが加速してるってことだろうなぁ‥と。
世界の関係は最悪になり、その反動エネルギーによって
人としての質が、ふるいにかけられるみたいな……。

もしかして、『宇宙の法則の真実』が知りたいと思う方は、
『アミ小さな宇宙人』を読むのが早いかも‥‥。

アミから、センソ・メトロ(愛の強さと進歩度を計測するメカ)なんか充てられたらと思うと、
オバちゃんは、ものすご~ く((((;゚;Д;゚;))))カタカタ です。(^^;)


神は一人ひとりの自由を、すべての人類の自由を尊重している。
悪が、君たちの惑星や,君たち自身の心の中を支配しているのは、
君たちがそれを許しているからなんだよ。

だからこそ、暴君はそこにつけこむんだ。
汚職をあおり、暴力をまねき、
邪教集団やフーリガンなんかの“狂信的行為”を引き起こすのは、
もとはといえば、君たちが心の中に
ヤツの居場所をつくっているからなんだよ。

それに君たちはまだ、上質の人生というものを、
本当には分かっていない。
だから人生への注文が少ない。
自分の意見を何も言わないし、
何事につけ自分からは頭を突っ込まないで、
すべて他人まかせにするという、
すばらしい?“常識”をもっている。
つまり君たちの世界は、
君たちがほったらかしてきたままに
なっているってことなんだ・・・・・・。

そうだね、アミ。
ぼくたちはあまりに無関心だし、楽することしか考えていない。
悪が支配するにはうってつけだ。(ペドゥリート)
(アミ 小さな宇宙人)


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阿修羅のごとく

 13, 2016 06:00
木霊

今回の話は長~いです。
お忙しい方は、パス下さい。(^^;)
ですが自己啓発意欲の旺盛な人は、
知っておいた方がいいかもしれません。


離婚後のオバちゃんは、
生活基盤を整えるために営業職を10年やりました。
その後、鍼灸専門学校の受験までには、2年ほどのブランクがあります。

1年ほどはカウンセラー養成講座に行ったり、
カイロプラクティックを学んだり……。
好きなことをして遊んでいたのですが、
やはり気になるのは学費の捻出でした。
息子の大学費用とは別に、
自らの学費に700万円ほどは必要だったからです。

で、ある時、社団法人の内勤営業に就きました。
社団法人の営業職? 
なんじゃそれは……。
そんな好奇心から、恐るべき営業集団を知ることに‥‥。



営利を目的とした社団法人の存在を知る人は少ない。
公益法人と錯覚しがちで、そこに目をつけて売れそうな商品を作り上げる。
私が体験した『工学技術員』、『経営コンサルタント』、『分野別のカウンセラー』など、
資格(認定書)の種類は様々です。
いかにも国家資格に準じる(資格者の助手にでもなれる?)と信じさせる
巧妙なトリック商法があるのです。




その仕事は『工学技術員』という資格(298,000円)の斡旋でした。
平たく言うと、労働省から天下った者たちが社団法人を作り、
適当な社会人向け教育プログラムを作って販売。
労働省の諮問機関(怪しげな…)が発行する認定書を、
なぜか『資格』として売るわけです。

ビルの一室、それも分厚い壁に仕切られた秘密の部屋で、
その電話セールスは行われていました。
対象は、工業技術に関わる大手企業から子会社まで。
相当数のリストが揃っていました。(リスト業者からの購入)

営業員は全員が大卒者。
一課の課長などは学習院卒の才女で、
突出した実績から『中年キラー』の異名をとっていたほどです。

彼女に言わせると、ターゲットは高専卒の社員や、中間管理職だそうです。
工業大学卒だと既に博士号保持者もいますが、
そんな本物に使われる高卒の平社員はもとより、
中間管理職のおじさん方は、特に資格に弱いのです。

『社団法人○○協会○○事務局から、
労働省の諮問機関である……』 と始まるアプローチトークは、
役所言葉の羅列で、聞く者に威圧感を与える効果がありました。

趣旨と目的を伝え、あなたが選ばれたみたいな説明を加えるわけですが、
『資格取得の是非について、ご意志の確認を頂いた後に』と、
通達を連想させる言い回しによって、
ターゲットたちは本物の公的機関を想像したようでした。

脈のありそうな者には講座の場所と日程、プログラムが送られます。
工学テクノロジーや、ファジー理論など、見るからに難解な講義内容で、
それが届いた頃、再アプローチして、意思の確認(契約)を取るというわけです。

この手法、微妙ですが‥‥。
実際に工学博士の肩書を持った人物によって講座が開かれるので
違法ではないのです。

都心の有名なビルで開催される講座には、
私も事務局職員として出席するのですが(実際は営業員)
可笑しいのは、講座受講者たちの反応でした。

延々と続く難解きまりない講義に居眠り者続出。
そのくせ終了と共に不安げな顔でスタッフに駈け寄り、
認定書の果す意義や特典を再確認しようとします。

中には受講するだけで貰える認定書に
不信感を顕わにする者もいましたが、
そこは筋金入りの営業集団です。
冷静沈着、かつ丁寧な説明に終始。

実際に講座が開かれているのだから違法ではないこと。
異業種間の交流を目的とする永久会員であること。
現時点では必要に思えない高度な理論も、
永久会員として繰り返し受講すれば成長できるなどと諭され、
大抵の者は納得せざるを得ない表情になるわけです。

エリート意識を逆手に取った企画が成功を治めた瞬間です。
彼らは、そのプライド故に高額の出費はもちろん、
自らの能力の低さを認めることができないようでした。

少なめに、100名/月として、事務局の売り上げは約3000万円。
・事務所の家賃/会場費   150万円
・営業員報酬  約600万円
・冊子の印刷代や郵送費  約20万円
・工学博士の日当        10万円
・社団への上納金       300万円

オーナーの手取りは、最低でも月に2000万弱になる計算です。(◎ー◎;)
ちなみに上納金とは、
労働省とのパイプがある社団法人の役員に支払う報酬です。

この構図…今どきのスピビジネスに似てるかも(◎ー◎;)。


さて、ここから、オバちゃん VS 
黄金バットの戦いが始まります!


ある日の昼食時間に珍しくオーナーが加わりました。
昼食を一緒に食べようというのですが、
私の弁当箱を覗き込み、それとは全く関係のない質問を投げかけました。

「あなた、貯金、いくら持ってるの」
オーナーの唐突な質問に周囲の視線が集まりました。

「貯金ですか……。500万くらいです」 
平然と答えた。息子の学費として確保してあるお金でした。

「そう。それっぽっちの貯えで、よくそんなに呑気な顔ができるわね」 
挑発するような目で彼女が言いました。
どうやら能力を出し切らない私への、侮蔑のようです。

正直、本気になるか否かは思案中でした。
法の網をくぐる集団に心当たりがあって、
それを確かめたいと思っていたのです。
というのも、かつて……。
ナポレオン・ヒルの『成功哲学教材』が一世を風靡しました。
価格は100万~250万円でしたが、消費者センターからマークされ始め、
その集団は速やかに消滅したのですが……。
私は、その残党による社団の結成ではないかと、
いぶかっていたのです。


「お言葉ですねぇ。呑気にしてられないから、ここに来てるんですよ」
私は意図的に彼女の目を凝視しました。

「あら、そうなの。私だったら不安で生きた心地がしないけどね」 
思わずふき出してしまいました。

「ハッ、ハハハ……。部長!(オーナーだが、対外的に部長と呼ぶならわし)
生きてる心地は充分にありますよ。
部長が思われるほど貧乏だとは思ってないし、不安でも不幸でもないですよ。
部長だったら億の預金をお持ちでしょうが、今、お幸せですか?」 
その問いに、彼女は黙りこくりました。

「とは、限りませんよね」 
私はあえて、にっこりと笑いました。
すると、彼女も豪快に笑い返すではないですか。

静まり返っていた部屋にざわめきが起こり、つられて笑う者や、
席に戻って仕事に執りかかる振りをする者など、
営業員の反応は様々に分かれました。

その様子を目で追っていたオーナーは、
歯がゆさの矛先を成績不振の高橋に向けました。

「あら高橋くん、やる気満々じゃないの。休憩もしないで」
食事以外の休憩時間など許さないオーナーが奇妙ないい方をしました。
集中攻撃を予感したのでしよう。
みんなの目が一斉に高橋に注がれました。

「今月も給料泥棒かと思ったけど、
その調子なら私が補填しなくていいようね」 
案の定、オーナーが執拗な皮肉を浴びせましたが、
周囲からは爆笑が沸き起こりました。
高橋に対する同情を笑いに変えようとする、
営業員たちの知恵なのです。

「売れない子の尻拭いばっかり……」 
薄笑いを浮かべたオーナーが、
心境を理解して欲しいと言わんばかりに私の肩を叩きました。
それを無視して弁当箱を片付けるために立ち上がろうとすると、

「あら、あなたはいいのよ。ゆっくり休んどいて」
とってつけたようにいうと、彼女はいそいそと部屋を出て行きました。

「やったわね。気持ち良かった」 
山瀬課長(学習院出の才女)が私に囁きました。
同時に、背後の営業員が課長にメモを渡しました。

「すげぇ!黄金バット、真っ青」 
そう書かれたメモを私に見せながら、山瀬は声を押し殺して笑い転げました。

「黄金バットって?」 
金属音のようなオーナーの甲高い笑い声につけた、
仲間内だけに通じるニックネームだと聞かされました。

「あとが怖いぞ~」 

「いや、風ちゃんはすごい。彼女相手に誰も言えへんぞ~」 
同情とも賞賛とも思えるざわめきが起きました。

「そう?みんながそんなに感動したんなら、私、間違いなく首やね」

涼しい顔でいうと大爆笑が起こりました。
抱腹絶倒しながら静かに!というサインを出す山瀬のしぐさが可愛らしく、
その笑いが部屋のあちこちに伝播しました。

私は嬉しくなりました。
入社以来、スタッフの笑い声を聞いたのは初めてでした。
実際、その瞬間まで職場の雰囲気は異様でした。
営業手法による緊迫感と抑圧された感情のせいでしょう。
空気が澱んで息がつまる日々だったのです。

その日、口の堅さでは定評のある山瀬課長から、
オーナーとの出会いや、現在までの経緯について打ち明けられました。
全ては推測通り、成功哲学販売集団の再結成だったのです。



次の日、帰りがけにオーナーの塚田から食事に誘われました。
解雇?それとも愚痴聞きだろうか。
いずれにしても、一度は話し合う必要を感じて誘いに応じました。

「あなた、どうして幸せなの」 
ニュー・オオタニのクラブで、ブランデーを煽りながら彼女が言いました。

「どうしてって……。幸せになろうと決めたからかな?」

「子供さんは? 何年結婚してたの」 
彼女はぶしつけに次々と質問します。

「結婚暦13年。離婚して6年。子供は一人。親権者は別れた夫。以上です。
部長、こんな話しやめましょう。どこにでもある話で退屈でしょう。
部長が話してください。私に何かおっしゃりたいんでしょう」
微笑みながら彼女を見つめました。

「私、癌なのよ。手術はしたけど再発の不安があるの。不幸でしょう?」 
またしても挑発するように彼女が言いました。
人事のようにさらりと言うことで、その瞬間の私の反応を確かめようとしたのです。

「不幸ですね。部長がそう思うなら……」 

「あなたは同情してくれないの」 

「半端な同情は反って残酷じゃないですか。
入社して間もない私が同情しても信じないでしょう。
部長なら、傍にいて同情を示してくれる人は大勢いらっしゃるだろうし」 

「よく知ってるわね。お金目当ての思いやりばっかだけど。それもご存知?」

「察しはつきます。確かめたいんですか。無一文でも自分に尽くすだろうかって」
部長は驚いたように私を見つめましたが、すぐに平静を装い……。

「私ね、片方の乳房がないの。可哀想だと思わない?」
返答に詰まりました。まさか乳癌だとは思わなかったのです。

「ほらね、女性なら誰でもショックよね。私、可哀想でしょう?」 
薄ら笑いさえ浮かべて、執拗に同情を求める彼女の意図が謀りかねました。
『億のお金をお持ちでしょうが今お幸せですか?』と聞き返した私への報復なのか…。

「お気の毒とは思いますが、お慰めする言葉が見あたりません。すみません」 

「あなたはいいわよ。健康そうだし子供という分身がいて。
たまには会うんでしょう?
いいじゃない。適当に母やって普段は気楽なシングルでいられるし。
彼氏は?
いるんでしょう。どんな人、ツルっ剥げのおじさん?クククッ」
塚田が意地悪そうに笑いました。
興味本位に質問して想像で答え、コロコロと話題を変えて
人の心を振りまわそうとする彼女に腹が立ってきました。

「それで? 乳房もあり、子供も彼氏もいる私は許せませんか。
そんな私になんか、慰めて欲しくはないんでしょう。

部長ね、私は家族の中にいながら孤独でした。
それならいっそ一人身の孤独の方が耐えやすいと思って離婚したんです。
夫も子供も、その存在が全てを満たしてくれるということはないですよ。
私は辛いときや悲しいとき、いつも自分を抱きしめながら泣きます。
自分以上に自分のことを解かってやれる人間など、いないと知っているからです。
私の心の動揺や葛藤を聞きたいんですか。
それを聞いたら安心ですか」

いい終わらないうちに、塚田(オーナー)は泣いていました。
静かな涙でした。
私はただ彼女の手を握り、ランプの炎を見つめていました。

我武者羅に食ってかかれる相手を求めて、
支離滅裂な言い回しをする彼女の胸の内を想いました。
しかし同時に、行く先々で激情を放つ人々に関わってしまう、
自分への疑問が湧いていました。

これを見る必要があるのだろうか。
この人のどこに自分の姿を見るのだろう。
それとも、私と話す必要に迫られているのは相手なのだろうか……。

「あなた、私の仕事、どう思っていらっしゃる」
塚田が話題を変えました。
その顔は、すでにオーナーのものでした。

「違法でないことは知っていますが、少し危ない感じはします。
正直、観察させて頂いてるんですが。
感心することもあれば脅威を感じることもあります。
特に部長に……」

「私の何に?」 
塚田が意外そうに言いました。 

「部長の営業員たちへの想いです。
彼らは部長を恐れはしても、高給にしがみついてる自分を見ようとはしません。
反面、部長は彼らを愛し過ぎます。愛しさ募って憎さに変わるほど。
まるで他に愛する対象がないかのようです。


高橋君がいい例です。代わりに売ってあげても彼は育たないでしょう?
痛めつけ、可愛がり、結果どうなるかご存知でしょう?
恥をかかされた場面で憎み、補填されたコミッションには麻痺していくだけです。

部長ね、彼らは他人です。
少し、距離を置かないと想いが裏目にでるような気がします。
男だって尽くしすぎるとダメになるでしょう?
けど、尽くしたことが執着になってなかなか手放せなくなる。
それって、もう愛ではなくて執着です。
執着は失いたくないという恐れですよね。
消耗したエネルギーへの未練とでもいうような……。

すいませんね。言いたいこと言って」 
塚田は無言で頷き、グラスに氷を注ぎました。

「あなた、いいこというわね。社団の専務にも同じことを言われたわ。
ところで、もう少し居てくれる? 他所に行っても似たような仕事ばかりよ」 
そういうと、塚田は私の鼻先を愛しそうに人差し指でつつきました。

塚田は50歳にして母が憎いと言います。
その憐れさにも増して、歪んだ被害者意識を思うと心が痛みました。
日を変えて、私は再び母親の近況を尋ねました。

「知らない。あの人のことは許せないもの」
塚田が手厳しく言いました。

「許せないって、再婚しただけで?」 

「いいじゃない、私って裏切られるとダメなのよ。今も誰も信じてはいないけど」
彼女はニヤリと笑った。

「それって、私も含まれるってことですよね。」 

「もちろんよ。あなただっていつ辞めようかと思ってんでしょう。
私のこと嫌い?いいわよ、正直に言って。給料、減らしたりしないから。ククク……」
好きか、嫌いか、それ以外の理屈は無用だといわんばかりに彼女が言いました。

「嫌いです。けど、聞いてください。
いつまでも人を憎んでいたら癌が再発してしまいます。
私を信じなくていいけど、せめてお母さんを許してあげてください。
そうでないと私たちが巡りあった意味がなくなります」 
沈黙の時が流れ、彼女の傍にいる目的が達成されたような気がしました。

「あ~あ。あなたが男だったら、ぞっこん惚れ込んで離しはしないのに」

「やめて下さいよ。けど、私が男だったら部長の口にガムテープ張るかも。
そうでもしないと神経がもたないけど。でも、黙って抱きしめることは確かです」

「もう、あなた……」
そういうと、彼女は大粒の涙を流しました。


二か月後、山瀬課長と、その婚約者(社内で事務職)が、退職の意を表明しました。

『阿修羅のような部長を守してる風ちゃん観てたら、
心底、考えさせられて……。
2人で相談して決めたの。
彼の父が秋田で司法書士やってるんだけど、今まではプライドがあって。
けど、自分を飾らずに主張する風ちゃんの勇気見てて、見習いたいって……。
田舎に帰って仕事を手伝いながら受験するって決心したの。
ありがとうねぇ。』

それを聞いて、もう少しお金を貯めてから…という私の欲も、消滅しました。
人に影響を与えた自分が、未来を案じるバカバカしさに気がついたのです。
(とにかく、やりたいことを優先しよう。行動に移せばなんとかなるさぁ‥みたいに。)

その後のできごとや、プロセス、結果は『二足の草鞋』に書いています。
二足の草鞋


その翌日、オーナーに呼ばれました。

『課長2人が辞めるって言うのよ……。
あなた、近いうちに鍼灸の学校行くって言ってたけど、
学校って、午後の授業でしょう?
午前中の仕事だけで20万の給料払うから、いてくれない?』
塚田が猫なで声で言いました。

『すみません、無理です。
しばらくは受験勉強に集中するつもりですし、
合格したとしても、そんな好条件に甘えるわけにはいきません。
他の営業員に示しがつかないでしょう?』

『やっぱり、そう言うんじゃないかと思ってたわよ。
ああ、もう事務所閉めようかなぁ‥‥。
あなた、どう思う?』

『それがいいと思います。
何億もの預貯金があって、今も家賃100万のマンション暮しなんでしょう?
そろそろマネーゲームは辞めて、非営利の公益法人でも始めるとか……』


半年もしないうちに、彼女は本当に事務所を閉鎖しました。

裕福な家庭で、乳母や女中に囲まれて育った幼少時代。
両親が離婚しても、物理的な不自由は感じない暮らし。
やがて一級建築士と結婚しますが、
子供嫌いで、主婦業にも退屈して離婚。

その後は大物政治家の愛人になり、
パトロンの権力で企業に『成功哲学』を売りさばき、
ついには社団の権利を買いました。

やがて、彼女には男が群がります。
彼女の持っている『金目当て』に……。
顛末は、まさに金の切れ目が縁の切れ目。
男の浮気が発覚する度、援助を打ち切り、
互いが恨みつらみを募らせるのです。

金と権力の魔法に魅せられた者は、
麻薬に似た『気分中毒』なのかもしれません。



ポチ、よろぴく!…(*´~`*)。o○


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ユーモア

 09, 2016 06:00
きょとん猫
 Y子は、こんな表情で世界を観ています


再び、営業職の女性軍団を率いていた時代の話です。



『娘を、宝塚歌劇団に入れたくて……。
お金がかかるんですよねぇ。
うちは母子家庭ですから、私が稼がないと……』

面接の日、45歳だという美しい女性が言いました。
最近まで不動産会社の営業をやっていたというわりに覇気がなく、
漂わせる色気の質から、採用をためらいました。

『不動産販売だったら最低保証はあったでしょう?
うち、固定給とかの保証、ないんですよねぇ。
Tさん、お綺麗だし、男性相手の営業の方が……』

『いえ!やらせて下さい。美容関係の方が需要は多いでしょうし‥‥』

言い終わらないうちに、Tが強い口調で言いました。
(゚◇゚;)…(・_・?)……なんだろう?
多少、違和感はありましたが、
とりあえずスタートしてもらうことにしました。


『その節はお世話になり……。
いえいえ、こちらこそ……。
ああ……なるほど。
で、その件なんですが‥‥』

2週間ほど経ったある日、Tの営業トークに異変を感じました。
(その節……新人やのに?)
明らかに当社の商品ではなく、物件、あるいは株の匂いがする会話で、
しかも、相手は男性のように思えました。

『実は、あの時……』

声を潜めがちに、彼女の話は延々と続きました。

一人、二人と、電話をしていない販売員がTに好奇の目を向け、
中には私に目くばせする者も‥‥。

所長としては、もちろん、怒り心頭でした
なんてこと!
しゃあしゃあと他社の営業するなんて許されへん!
いつまで喋るつもりなんや。
気がつかないとでも思っているのだろうか?

堪忍袋の緒が切れそうになった、そのときです。
電話を終えたY子が、すっとんきょうに叫びました。

『ひぇ~、わたしはだ~れ! ここはどこ?』 

その的を得たユーモアに、大爆笑が起きました。
腹を立てていた私でさえも、怒りは吹っ飛び、
可笑しさのあまりひっくり返りそうになりました。

職場全体が笑いに包まれると、
さすがにTは、そそくさと電話を切りました。

『どうかしたんですか?』

Tが、隣席の仲間に、しゃあしゃあと聞き、
聞かれた者は、Y子と目を合わせて、再び大爆笑してしまいました。


ユーモアが、魔法のツールに思えました。
人の怒りを瞬時に溶かし、
笑いに変えることができるのですから‥‥。


そのとき、単刀直入に……。
いや、強引に電話を切らせて注意したとしたら、
職場の雰囲気は台無しだったばかりか、
T自身、立ち直りが効かない状態になったことでしょう。

もっとも、その女性は3か月後に退職しました。
2足目の草鞋は性に合わなかったようです。


洋画(映画)などを観る限り、
白人のユーモアセンスって洗練されていますよね。
絶望的な、緊迫した、打ちひしがれた状態でも、
彼らはユーモアを忘れません。
笑いが『物事を好転させる』と、知っているんでしょうね。

Y子からは、それまでにも多くのことを学んでいました。
とくに『ものの言い方、自己主張の表現技』に憧れていました。

就業中のことです。

『今日はもう帰る……』

彼女が忍び足で近づき、私の耳元で囁きます。

『えっ?……ちょっとぉ、まだ2時じゃん!』

私もつられて囁きます。ですが‥‥。

『朝から気合入れて2本売ったし……ネ、ネ(* ・´з)(ε`・ *)chu♪、』

こんな調子で、所長の私をたぶらかす名人でした。

Y子は、すぐには反論をせず、目でモノを言います。
うん、まぁ、おっしゃる通り……。
ヾ(´ε`;)ゝなんだけど~ みたいな目をするのです。

彼女は基本、わがままなタイプです。
協調性はゼロに等しく、
わが道を固守すると言っても過言ではありません。
ですが、拒否するにしても可笑しさを加える天才ですし、
その言い方が妙に可愛いい……。
今日の『猫画像』そっくりの目で、
いさぎよく、堂々と、自己主張するのです。

ですが、責任感はあるタイプです。
言われる前にきちんと責任を果たすので、
こちらとしても具の根も出ないわけです。

人のふり見て…と言いますが、
私は彼女から、多くの『ものの言い方』を学びました。
自分に厳しく人にも厳しかった私が、
どんどん『いい加減に』なれた恩人だと、今も思っています。

この話には落ちがあります

『私はだ~れ、ここはどこ?』
このときはまだ、そのユーモアが、
彼女の不思議体験から出たものだとは知りませんでした。

『空白の時間/私はどこに?』や、『魂はどこに?』に登場する同僚で、
空白の時間・私はどこに?
魂はどこに?
今は故郷の桜島(鹿児島県)で、夫と余生を送っています。

実は彼女、かつて桜島を支配した豪族の末裔らしい……(^^;)

ポチ、よろぴく!…(*´~`*)。o○


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性と霊魂の旅

 05, 2016 13:00
月②


今日の記事は、書こうか、やめようか、相当迷った挙句……。
バーソさんのブログ『させていただく視点の春琴抄』で、
コメント返しを読むうち……。
バーソは自由に


インドの若い修行僧に対して、白人見学者が質問をした。
『寺院では性的欲望を禁じられているなら、その欲望を抑えるのが大変だろう』と。
すると、若い修業層は答えた。
『瞑想しているときの至福感に比べれば、そんなことはどうってことない』と。


この下りで、その至福感のレベルについて、
勇気を出して書くことにしたというわけです。


今日の話は、長いです。
というのも、まるで何者かに誘導されるように事が起こり、
連続性を持って完結に導かれたからです。


オバちゃんは、精神世界を探求している最中、
『性と霊魂の旅』という本に出合いました。
ケーシーは何冊も読破していましたが、この本は特別でした。

というのも、読み進むうちに、
な、なんと(◎ー◎;)……性的欲求が起きるのです。

『そんなバカな……、
こんなにも霊的な内容なのに、
私って異常体質なんだろうか?』

あまりのショックで、読書をストップしました。
しかし、気になるのです。
で、日にちを置いて二度、三度とトライするのですが、状態は変わりません。
数ページ読むと、ほとんど自動的に性的欲求が湧き起るのでした。

途方に暮れて、気分転換に本屋さんを徘徊。
そんなときは守護霊ちゃんにSOSします。
どうか、その意味を教えて下さい!…みたいに。
で、ヨガをやっていたこともあって、
チャクラに関わる本場インドの解説書を読み始めました。

すると、あるページで目が点になりました。(◎ー◎;)
なんと、性的快感の回路と、瞑想によるトリップの回路が同じだったのです。


体験的に……瞑想によるトリップは、
たとえようのない至福感、恍惚感に包まれます。
とてつもない愛と、崇高なエクスタシーに満たされるわけですから、
肉体次元の快感とは月とスッポン……比較のしようもないレベルです。
インドの若い修行僧は、それを体験していたからこそ、
『どうってことない』と答えたのだと思います。

『回路を共有……なるほど、そういうことかぁ。
けど、私にとっての意味は?
今、なぜ、この本に出合う必要があるわけ?』
そんなふうに、やはり疑問は残りました。

面白いことにインドでは、瞑想によるトリップの前に、
まず肉体的な快感(自慰や、男女で)を勧めるそうです。
昇天回路のテスト走行でもするかのように‥‥。
そういえばインドの宗教画って、男女の絡んだものが多いですよね。
例えば釈迦の下半身に絡みつく女性とか。


はて、問題の本、『性と霊魂の旅』は、
気恥ずかしい抵抗を感じながらも、なんとか完読しました。
性 = 生命エネルギー = 意識 = 全てはひとつ
そんな霊性の内容でしたが……。

その直後、ひょんなことから三泊四日の特別セミナーに参加しました。
カリスマ性は魂の天秤?
この記事の、当時、私が惚れこんでいた女性の紹介でした。
噂では、王貞治さんなんかも体験した潜在能力開発セミナーらしく、
企業から派遣された役職社員や、一般人など、顔ぶれは多彩でした。

・ 20回連続で、割り箸を名詞で切る。(途中失敗したら振り出しに)
 20回連続で、割り箸を爪楊枝で切る。
・ 膨らませた風船に割り箸を挿入して貫通させる(割れると失格)
・ 透視(分厚い紙の裏側に書いた文字を、遠くから透視)
  このメニューを、三日三晩、一睡もせずに行うわけです。

何百回、何千回と、割り箸と名刺がぶつかり(斜め45度の角度)
指先からは血しぶきが飛び、不眠不休のために頭は朦朧とします。

二日目までは……。
『なんだって、こんなことやってんだろう?
これができたからって、なんぼのもんやの?
かくし芸のひとつに過ぎなくない?』
そんな猜疑心から疑心暗鬼に陥りますが、
三日目に突入すると(不眠不休)、疑問さえ消滅します。

私は洗面所に行き、ホースで頭から水を浴びました。(冬の最中)
すると、頭の中は、それこそ真っ白……。

そのまま会場に戻り、『風子、行きます!』と宣言。
その瞬間、45度にかまえた名刺は刃物に変わり、
瞬く間に、割り箸が切断されていきました。
不思議だったのは、切断の瞬間がスローモーションになり、
振り下ろした名刺の角度や、割り箸の位置がズームして見えたこと。
気がつくと、参加者100名中、優勝していました。

『なるほど‥‥。
邪念が消滅して無心になれば、誰だって宮本武蔵になれるんやぁ。
できるわけない!って気持ちを消滅させれば、
割り箸が風船も貫通するし、分厚い紙の裏の文字も見えるんやぁ。
超能力って、もともと人間に備わった能力なんや。
ただ、いかに無心になるか、いかに集中するか、
いかに、できると、自分を信じられるかなんやぁ…』

そんなことを感じた三泊四日でしたが、
どっこい、話のつじつまは、これからです。


特別セミナーの帰り、電車の中で懐かしい人に再会しました。

ショッピングセンターの企画室勤めだった頃(POPライター)、
建物のメンテナンスに来ていた大手ゼネコンの現場責任者で、
仕事仲間であり、兄のように慕っていた存在のNでした。(10歳年上)
私がテナントの一人と結婚した後も、
店の常連客として、20年ほど通ってくれていました。


『どこで、どうしてたんやぁ!』
隣の乗客を押しのけて割り込み、Nが興奮ぎみに言いました。

『久しぶり……もう5年ほどになるよね。
そ~や! 私、離婚したんよ』

『知ってる……。
この前、久しぶりにコーヒー飲みに店寄ったら違う女性がいてな。
マスターに店の裏に連れていかれて、聞かされたわ。
けど、まさか、今どこに住んでるなんて聞かれへんしなぁ‥‥』

ものの5分で、私の降りる駅が迫っていました。
『これ名刺、電話して……ご飯でも食べよう!』

帰り道で、直観が躍動しました。
あの人と……きっと性を交えるんだろうなぁ、と。

『性と霊魂の旅』 → 潜在意識開発セミナー → 再会
その再会……。
かつて仕事仲間だったNとは、互いに好感を持っていました。

5年という月日は経っていましたが、
電車なんか何十年も乗ったことのない人が、
たまたま免停になって……。
しかも私は、肉体と精神が共有するエクスタシーの回路を、
この肉体でも確かめたいと密かに思っていたわけですから。

その目的は果たせましたが、
性行為中に、とんでもない現象が起きました。
そのときの詳細について、長すぎてページには収まりません。
過ち
Nとの夜の出来事は、この記事の後半に。
Nとの完結編は、下記のページに書いてます。
期待

エドガー・ケーシーの『性と霊魂の旅』
オバちゃんにとっては驚異の…
“恐るべし本”でした。


ポチ、よろぴく!…(*´~`*)。o○


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それぞれの信念

 02, 2016 06:00
シメール イルカ


オバちゃんの息子が5歳の頃、
中2の男子と、小4の女子が同居することになりました。
2人は夫の兄の子供で、妻が借金を残して男と蒸発したことから、
同情した夫が、兵庫県から連れてきたのでした。

『ええか、お前たち、今日から叔母ちゃんを、お母さんと呼ぶんやで!』
夫が、しゃあしゃあと言いました。

『ちょ、ちょっと待って!……中学生と小4やよ。
お母さんなんて呼べるはずないやんかぁ。
茂樹くん、千佳ちゃん、呼ばんでいいよ。叔母ちゃんでいいんよ。
何をしようが、どこに住んでいようが、
あんたたちのお母さんは、世界にただ一人なんやから‥‥』

夫は顔色を変えましたが、間髪入れずに言いました。
『あんたね、継母に育てられて、その辛さは身に沁みてん違うん?
赤ちゃんと違うんよ。母親になれるわけないやん』


数か月経ったある日、子供部屋のタンスから異様な匂いがしました。
なんと、給食のパンと、オネショしたパンツが……。

切なさがこみあげました。
ですが、千佳にとっても、現実を受け入れるしか道はありません。

『千佳ちゃん、今更だけど、お母ちゃんのこと、ショックやったなぁ。
しかも突然、なじみのない親戚のオッちゃんちやもんなぁ。
そりゃあ、オネショも無理ないわ。
けど、タンスにしまい込んだらアカンやろ?…カビ生えるやん。
恥ずかしかったら、こっそり洗濯機に入れとき。
誰~れにも判れへんから。
パンもな、嫌いやったら食べんでいい。
学校で都合悪かったら、家のゴミ箱に捨ててもいいんやで……』
涙ながらに言うと、千佳はうなだれました。


さらに半年ほど経ったとき、高校進学を拒否し続ける茂樹と、
膝を突き合わせて話し合いました。

『叔母ちゃん、いろいろ動いてくれてるみたいやけど、僕、高校には行けへん。
勉強嫌いっちゅうのもあるけど、中学卒業したら大工の見習いしよう思てんねん。

男と一緒に蒸発したオカンな、主婦業嫌いでパチンコ三昧やってん。
僕らの弁当も作らんで、喫茶店でチャーハン入れてもらったりしててん。
けど、オトンかって同じや。
僕らに逢いにけぇへんってことは、女んとこ入り浸ってると思うわ。
今までもそうやったし‥‥。
生活費も入れてないんやろ?

情けないい親やろ?
だから僕は手に職つけて……加古川に好きな子いるんやけど、
さっさと結婚して、自分の家庭を大事にしたい思てんねん……。』

『(◎ー◎;)(´;ω;‘)ウッ… なるほど……あんた、すごいな!
初めて見たときは、髪染めて、ひさしみたいに突っ張っぱらせて。
スモーキンブギの世界やん、って思たけど……。
よっしゃあ!……。
そんなチャンとした未来像あるんなら、もう進学せぇ、なんて言えへん。
叔父さん(夫)が知ったら激怒するやろうけど、茂樹君の人生やからな!』

この頃の私は、週末は自営業の主戦力。
平日は飛び込みのセールスという2足の草鞋を履いていました。

夫の度重なる入退院が原因で、高収入を得ていたPOPライター業を断念。
飲食業3店舗のうちの2店舗を切り盛りしていたのですが‥‥。
マイホームを買った直後から売り上げが低迷し始め、
突如として、2人の子供たちを養育することになったからです


ダンプの運転手で高給取りの義兄は姿も見せず、
さすがの夫も、兄に対して不信感を持ちはじめた頃、
私は意を決して、千佳と話し合うことにしました。
5年生を前にオネショが収まらず、友達もできないまま
部屋に閉じこもる日々が続いていたからです。

『ご飯や洗濯はいいとして、叔母ちゃんは母ちゃんじゃないからなぁ。
千佳ちゃんが子供なりに神経使ってんの、よう解るし、
なんや可哀そうでなぁ‥‥。

で、考えたんやけど……、
加古川に帰って、親子3人、水入らずで暮らしたらどうかなぁ、思て。
加古川やったら友達かって多いやんなぁ。
もちろん、そうするためには千佳ちゃんが主婦せなアカンけど。

けど、そうしたければ、明日から少しづつ教えていくよ。
ご飯の炊きかたや、味噌汁の作り方なんか‥‥。
まっ、兄ちゃんや父ちゃんも協力はするだろうけど‥‥。
どうや? ほんまの気持ちとして、どっちがいい?』

『帰りたい……』
千佳が、消え入るような声でいいました。

『そうかぁ……ほんなら、そうしい。
頑張って3人で暮らしてたら、お母さんのことや。
男とうまくいかなくなったら、子供恋しいて戻ってくるかも……。
叔母ちゃんな、千佳ちゃんの父ちゃんにとっても、その方がいい思てんねん。
どう考えても気楽過ぎるし、女に入れ込むぐらいやったら、
子供たちのために残してやらな、なぁ。

ええか、千佳ちゃん。
加古川帰ったら、千佳ちゃんが太陽や。
千佳ちゃん流でええから主婦やって、
誰にも気兼ねなく暮らしたらええ。

変な話、叔母ちゃんが千佳ちゃんの立場でも、そうすると思うわ。
父ちゃんもなぁ、10年経ってみい。子供のありがたさ、身に沁みると思うよ』
千佳の手を握りしめて、私が言いました。


5年後、茂樹の結婚式に出席し、私は家を出ました。


この、オバちゃんの身の上話……それぞれの価値観と信念が如実でした。

元夫……そりゃあ大変、俺が面倒見なくっちゃ!
      まっ、生活費くらい入れるやろ。

私………事前の相談もなく、なんて軽率な兄弟。
      しかも揃いにそろって、子の心、親知らずじゃん。
      こんなケース、成人するまで面倒みるなんて馬鹿げてる。

義兄…… 弟は商売人で裕福だし、一石二鳥かも。
      これで女とも気兼ねなく逢えるし、ええ格好もできる…。

さて、これら三者三様の価値観と信念について、
このページを読んでくださっている『あなた』はどう思うでしょう。

ヤフートップ画面の『悩み相談』みたいに、
それぞれが言いたい放題、意見を出すのも面白いかも‥‥。


ですが、答えは……。
この次元での正しい答えなど、ないも同然でしょうね。
単に、それぞれの歩んできた道(言葉と行為)が、
それぞれの信念を創っているに過ぎません。

波乱万丈、千差万別のできごとを体験し、
どんな場合でも、愛に基づいた言動がとれるようになるには、
300回や400回の転生では無理なんだろうなぁ…。
それが未だに地球人やってる理由なんだろうなぁ‥と、
オバちゃんはつくづく思います。


他人に「間違いをする余裕」を与えなさい。
何てことはない、彼らは叡智を得ようとしているところなのだ。
その余地を十分に与え、過ちを探してはならない。
両親が適切に育ててくれなかったとしても、許しなさい。
人を育てる方法を本当に知っている者など、
そもそもいないのだから。 (ラムサ)


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